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イオンシネマ岡山で上映決定!! LGBTQ+をテーマにした水泳部の青春物語『水の中で深呼吸』の制作秘話を語る— 映画監督・安井祥ニ(株式会社びより 代表)

2025 9/03
Interview News
目次

『水の中で深呼吸』ができるまで— 制作秘話など

はじめに

南條 皆さんこんにちは。NANJO Video Pro. の南條です。今回も素敵なゲストをお迎えします。映画監督・映像ディレクターとして活躍されている、株式会社びより 代表の安井祥ニさんです。よろしくお願いします。
安井 よろしくお願いします。呼んでいただき、こちらこそ嬉しいです。
南條 安井さんとはお仕事でもご一緒していて、岡山の映像界隈では知らない人はいない…と言っていい存在。業界歴は?
安井 映像に関わって24年くらいですね。岡山市の文化賞もいただきましたが、まだまだ勉強中です。

作品紹介:『水の中で深呼吸』

南條 まずは最新作『水の中で深呼吸』。ついに岡山でも公開ですね。
安井 はい。念願でした。東京での公開から全国を回ってきて、9月5日からイオンシネマ岡山さんで上映、9月6日14:30からは主演の石川さんと舞台挨拶も予定しています。

南條 どんな物語か、簡単にあらすじを。
安井 高校の水泳部を舞台にした群像劇です。主人公・葵(あおい)は、「自分は男性が好きなのか、女性が好きなのか」「自分は男性なのか女性なのか」という“間(あいだ)”で揺れ動く。先輩後輩の関係性や青春のきらめきとともに、その揺らぎを描いています。

テーマの源泉:知らなかったことが、人を傷つける

南條 このテーマを選んだ経緯は?
安井 昔、身近な人から「自分は男性が好きなのか女性が好きなのか分からない」という相談を受けたことが出発点です。調べていくうちに、それがLGBTQ+の“Q(クィア/クエスチョニング)”に当たることを知りました。そこから当事者の方々に取材を重ねたんですが、無知が人を傷つけるんだと痛感もしました。
南條 どんな出来事が?
安井 ある時、取材相手に「あなたはどうして同性を好きになったんですか?」と聞いてしまった。すると「じゃあ安井さんは、なぜ異性を好きになったんですか?」と返されて…自分の問いが失礼だったと気づきました。知らないから偏見や差別が生まれる。だから“分からないものを分かろうとする”姿勢で、寄り添える映画を作りたいと思ったんです。

要点メモ
・Q=Queer/Questioning:男性/女性の二項で割り切れない“間”の在り方。
・「こうだ」と決めつけず、個人差・揺れ・変化を前提に描く。
・無知の暴力を反省し、取材を通じて“学ぶ過程”も作品に反映。

メイキング:水中と雨。想像の3倍ハード

南條 水中シーン、見事でした。現場は相当大変だったのでは?
安井 大変でした(笑)。高校のプールは深度が取れないので、一般的な水中広告撮影で使う“深いプール”のアングルが組めない。限られた角度に役者さんをピタッとはめていく精度勝負でした。カメラは水中で人力スライド。撮影助手たちがロープで30m近く引っ張るんですが、水の抵抗が想像以上。交代しながら5〜6人で回しました。
南條 雨のシーンも印象的。
安井 大雨が欲しかったけれど、業務用の大規模散水車が用意できず。制作部がタンク車を手配してくれたものの、量が足りない。そこで近所の方々のホースを4軒分お借りして合流させた“総力戦”。本当に助けられました。

南條 ドローンも難しい?
安井 プールの水面反射でセンサーが誤作動し、ホバリングが安定しない現象が頻発。風とも戦いつつ、使える尺をギリギリ積み上げました。

俳優の努力:沈む、泳ぐ、立つ

南條 役者さんの身体的な負荷も相当ですね。
安井 はい。水に沈むには息を吐き切る必要があって、その状態で演技を続けるのはかなり苦しい。石川さんは相当練習してくれました。水泳のフォームづくりも全員で。特に八条院くんは筋力から作り込み、たくさん練習してくれた。水の中の演技は、地上とは体力の使い方が違いますから。

ロケ地余話:群馬の「オリンピックパン」

南條 劇中のパン屋、最高でした。
安井 群馬県の老舗で、「オリンピックパン」という名物。ふかふかの食パンを使って、ジャムやあんこを挟むんです。無添加なので“その日が最高”。翌日は固くなるから、ぜひ現地でできたてを。店構えもそのままで、聖地巡礼におすすめです。

生き物カット:カエルは難しい、トンボは奇跡

南條 生き物のショットも記憶に残りました。
安井 カエルは本当に大変。雨がないと出会えないことも多く、見つけても思った方向に跳んでくれない。テイクは数え切れないほど。一方、トンボは奇跡的で、カメラを構えて数分で“スッ”と止まってくれた。現場がどよめきましたね。

こだわりのカット:鏡越しの長回し

南條 選びきれないとは思いますが、とくに思い入れのあるシーンがあれば教えてください。
安井 やっぱり雨のシーンはどうしても撮影したかったので思い入れも強いですね。普通は散水車など用意して撮影するところ、予算も限られていたんで近所の方にご協力いただいて、蛇口をお借りしました。あんなにも人の家の蛇口を捻ったのは初めてです。(笑)
 他には、鏡越しは演出的にもこだわりました。被写体と鏡のどちらにピントを置くか、その切り替えで心理の“奥行き”を作る。部屋は広くないけれど、長回しでも“見続けられる芝居”にするのが肝でした。

オーディションの話:控室にも審査員を

南條 キャスティングは時間をかけたんですか?
安井 かなり。2カ月の集中開催で、人数も多かったです。日菜役の中島さんは、控室で一緒に来た事務所の仲間を真っ先に推していた。「彼女はこういう努力をしていて素晴らしい」と。他者を自然に称賛できる“人となり”にひなを見ました。
南條 現場外の振る舞いも見る?
安井 ええ。控室にもスタッフを置いて観察します。受付やスタッフへの挨拶など、当たり前のことを当たり前にできるか。表と裏の落差が大きいと現場の信頼が揺らぐので。芝居の上手さと同じくらい、“人”を見ています。

映画監督の魅力と苦悩

配給・公開のリアル:完成してからが本当の勝負

南條 映画って“できたら終わり”ではないと痛感しました。
安井 むしろそこからが始まり。大作は制作と配給が最初から組まれ、公開日も先に決まっていることが多い。一方、僕らの規模では、完成後に配給会社や劇場へ“持ち込む”ところからスタートします。ただ、配給会社の“信用”の力は大きい。今回は主演の石川さんが奔走してくれて、配給の田村さんと出会い、全国の上映が一気に広がりました。人の縁に救われています。

予算と覚悟:やってはいけないことを、覚悟でやる

南條 映画の“熱量”は、予算にも現れていました。
安井 正直に言うと、監督裁量で持ち出しもしました。本来はやるべきではない。でも初の商業長編として、できる限りを尽くしたかった。覚悟のコストです。もちろん推奨はしません。

興行の難しさ:映画館に人を呼ぶということ

南條 今は配信の時代。映画館にお客さんを呼ぶハードルは高い。
安井 本当にそうです。年に数回しか行かない人も多い。だからこそ、公開後の“宣伝”は監督自身が先頭に立ってやらないといけない。作品を届け切るまでが映画づくりだと感じています。

なぜ映画監督を続けるのか

南條 正直、業界はしんどい。それでも続ける理由は?
安井 業界自体はおすすめしません(笑)。でも、作品が誰かの心に届いて「感動した」と言ってもらえた瞬間、全部が報われる。人は何かを“伝えたい”生き物だと思うんです。絵や音楽や映画で。伝わった手応えがあるから、続けてしまう。

映画監督になるには?

南條 どうすれば“映画監督”になれますか?
安井 僕も分からない(笑)。今回の長編でやっと“映画監督になれた”実感はあるけれど、ここから“続けられるか”は別問題。次の企画をどう形にするか、どう縁をつなぐか。結局は作り続けるしかないんだと思います。

南條 ENBUゼミナールにも行かれたんですよね?
安井 5〜6年前ですね。『カメラを止めるな!』に衝撃を受け、「甘えていられない」と環境を変えたかった。結果、同じ志の仲間と出会い、課題として短編を2本つくり、映画祭で評価もいただいた。そこから“紋の光”などの機会につながり、今回の長編に至りました。長かったけど、火は消えなかった。

最後に

これから:悩むことを肯定できる映画を

南條 今後の構想は?
安井 いまは何よりもこの作品を届け切ること。次回作のアイデアはメモに溜めていますが、まずは『水の中で深呼吸』をできるだけ多くの人に観てほしい。
南條 最後に、読者・観客へのメッセージを。
安井 “悩むことを肯定できる映画”にしたいと思って作りました。男性か女性か——その二項では割り切れない“曖昧な感情”を抱えている人がいる。その悩みは口にしづらいけれど、悩んでいい。そんな感情が“ある”ことを知ってもらえたら、少しだけ世界は優しくなる。観た人が、ほんのわずかでも優しい気持ちになってくれたら嬉しいです。

記事の内容をもっと詳しく知りたい方はこちら!

映画情報|『水の中で深呼吸』

  • 岡山上映:9月5日〜 イオンシネマ岡山
  • 舞台挨拶:9月6日(土)14:30〜
  • 公式サイト:https://mizunonaka-movie.jp/
  • Instagram:https://www.instagram.com/mizunonaka_movie/
  • イオンシネマ岡山:https://www.aeoncinema.com/cinema2/ok…
  • その他の劇場情報は公式サイトへ

Cast 石川瑠華 中島瑠菜 倉田萌衣 佐々木悠華 松宮倫 八条院蔵人 伊藤亜里子 川瀬知佐子 山本杏 森川千滉 倉林希和里 小西有也 野島透也 池上秀治 しゅはまはるみ

Staff 監督:安井祥二/脚本:上原三由樹 岳谷麻日子

自分は、女なのか、男なのか。 この気持ちは、恋なのか、友情なのか。 揺れ動く 10 代の心を、瑞々しい映像とともに描いた、ひと夏の物語が誕生した。

主人公・葵を演じたのは、『猿楽町で会いましょう』で第 31 回日本映画批評家大賞・ 新人女優賞受賞を果たし、『うみべの女の子』など数々の作品で主演を務める実力派俳優・石川瑠華。 戸惑いながらも自身の輪郭を探し求める葵の心の機微を、 ボーダーレスな佇まいと繊細な演技で表現した。さらに、中島瑠菜を筆頭としたフレッシュな若手キャストが脇を固める。

監督は、『スイート』で第 30 回キネコ国際映画祭の国際審査員特別賞、PTA 賞のほか、モントリオール日本映画祭の短編映画最優秀賞を受賞した安井祥二。木村文乃主演の『紋の光』も現在公開中の、気鋭の映像作家だ。本作では、全ての人の心に潜む “言葉にならない想い” を、静かな光で照らし出すことを試みた。

【ストーリー】 水泳部に所属する、高校 1 年生の葵(石川瑠華)。 理不尽な上級生からの嫌がらせに耐えながら、黙々と練習に打ち込む日々を送っている。 そんな葵には、誰にも言えない、もうひとつの悩みがあった。 同級生の水泳部員・日菜(中島瑠菜)に惹かれる気持ちを持て余していたのだ。 “普通” とは何か、“自分らしさ” とは何か。 泳ぎ続けたその先で、葵が見つけた答えとは──。

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